No.1584 アドバイザーを見極めましょう
今日はちょっと余談です。たまたまネットで見つけたのですが、幻冬舎の見城さんと村上さん、サイバーエージェントの藤田さんの対談みたいですね。AbemaTVかな?
けっこう長いです。ところどころおもしろいので結局私はほぼ全部見ましたが、ちょっと気になるところがありました。
まず前提として、幻冬舎は以前上場していたのですが、見城さんがMBOをして非公開化しました。ただMBOの最中にイザベルという投資家に株式をたしか30%くらい買われてしまいました。TOBは成立したのですが、非公開化するためには少数株主を追い出さねばならず、株主総会の特別決議が必要です。30%くらい買われてしまったので、とてもじゃないが特別決議は取れない!となったところ、イザベルは立花証券を使って信用取引で買っており、議決権は立花証券が有している状態でした。信用取引の議決権は証券会社は行使しませんので、めでたく幻冬舎のMBOは成功したという次第です。当時けっこう話題になりました。詳しくは以下。
https://www.data-max.co.jp/2011/02/mbo.html
https://www.data-max.co.jp/2011/02/18/mbo_1.html
このイザベルという投資家、結局誰なのかよくわからなかったのです。見城さんは「イザベルは村上だろー!」と番組内では言ってましたww
で、本件でお伝えしたいのは以下です。ちょっとメモおこしをします。35分くらいから見るとわかりやすいです。
以下は36分30秒くらいから。
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見城:(イザベルが登場してきたことについて)オレも村上のことは信用しているから、村上に、どうしようかって相談してたんだよ。1日おきくらいにシンガポールにいる村上と話してたんだよ。で、会社にも来てくれたんだよ。でもね、今思い出すと会社には、なぜか東京大学法学部の同期の弁護士と一緒に来たんだよね。あれはなんで弁護士と一緒に来たのかって、今になるとあれー、へんだなあって思うんだけど。
村上:真実を言っていいですか?人の批判になるかもしれないけど、佐山さんですよ。ファンドとか、いろいろ買収してる・・・
見城:佐山 展生!
村上:あれ、ひどいよね!
見城:GCAの!
村上:ほんで僕にガンガン電話してきて「(イザベルは)あんたしかいない!あんたしかいない!」って。ほんで幻冬舎に乗り込んで「オレが解決するからフィーをくれ」と。ひどいよね。見城さん、佐山さんが言ったこと全部議事録にしてるから見せてやると言われたんで弁護士と行ったんですよ。
見城:ああ、そうかそうか。
村上:見城さん、忘れてる。
見城:そうだね、そうだね。
村上:ほいで見城さん、訴えたんだよね、警察に、実は。告発もして。イリーガルなんですよ、その人たちは。佐山さんはその張本人とも会ってる。ひどいよね、あれ。
見城:張本人とも会ってるの?
村上:書いてましたよ、議事録に。
見城:それは書いてなかったような気がするけどなあ。
村上:で、佐山さんは僕を疑ったんで、坊主になるって言ってましたよ。なってないですよ!
見城:なったなった。
村上:なったんだ。へえwww
見城:この話、おもしろいんだよ。ある日突然、GCAの佐山がオレにコンタクトしてくるわけよ。それで、僕は見城さんを助けます、と。いろんな条件を言ってくるわけよ、こーしましょう、あーしましょう、と。向こう(イザベル)とも僕がコンタクトとります、とも。でも、言ってることは、全部向こうの条件に従いましょうと言っているようにしかオレには思えなかった。で、あんたさあ、どっちのアドバイザーなの?って。いや、見城さんのアドバイザーとして契約したいんですって。そういうことがあったの。だから全部それテープにとってたのよ、オレは。で、それを村上に見てもらおうと思ってたの。結局(イザベルは)誰だかわからなかったの。でも最後、臨時株主総会は、説明をはぶくと僕が勝ちました。
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幻冬舎のMBOは当時かなり話題になりました。そして今でこそこういう安い価格でのMBOは横やりが入ります。村上さんがよくやってます。東栄リーファーライン、廣済堂、日本アジアグループなどなど。僕はこういう村上さんの行動は評価します。安い価格で経営者が一般株主から株を搾取しようとする行為は許せません。
こういう横やりが入ると、もうMBOの価格を引き上げる以外には対抗策がないのです。村上さんに横やりを入れられた案件、結局失敗しているでしょ?東栄リーファーラインは当初のMBOは失敗し、価格を引き上げて再チャレンジしましたよ。価格を上げるしか対抗策がないんですよ。もしくはあきらめるかです。
佐山さんが本当のところどのように見城さんに言ったのかはわかりませんが、もし「僕は見城さんを助けます」などと言っていたのだとしたら、あり得ませんね。価格を引き上げる以外に対抗策がないんですよ。だから見城さんが「でも、言ってることは、全部向こうの条件に従いましょうと言っているようにしかオレには思えなかった。で、あんたさあ、どっちのアドバイザーなの?って」といったのもよくわかります。おそらく見城さんは「そりゃ、向こうの言っていることを鵜呑みにすれば成功するだろうけど、だったら別に佐山さんがいなくてもできることだよね?」って思ったのでしょう。
もちろん佐山さんが本当にそのようなことを言ったのかわかりません。佐山さんに確認したわけではありませんから。ただ、こういうことを言うアドバイザーはたまーにいますね。「私にまかせてください!」「私は買収者とパイプがあります!」「私の言うことなら聞くと思います」「私には秘策がある」「マスコミを操りましょう!」 そんなわけないやん・・・。でもね、いざ有事になると、こういうことを信じてしまう経営者もいるんです。溺れる者は藁をもつかむ、です。
この話はいつかまた詳しく書こうと思っていますが、これから皆さんの会社に敵対的TOBが仕掛けられた場合、守るのが非常に難しくなります。TAKISAWA次第ってのもありますが、全般的にアドバイザーの腰が引けるでしょうね。なりふり構わぬ防衛には付き合えない、と。世の中、敵対的だからと言って反対しにくくなっている、市場株価に相当のプレミアムを付けられると反対しにくい、そういうアドバイスは当社にもレピュテーションがあるのでできない・・・などなど。それって「なりふり構わぬ防衛」にせず、会社の要望がかなえられるように知恵を絞ればよいだけの話です。もちろん知恵を実行するための勇気が会社には必要ですが。
アドバイザーが弱腰になる、またはそういう風潮を嗅ぎ取って「私なら守ることができる」というアドバイザーが跋扈する。気を付けなくてはいけない時代です。
