2024年09月29日

No.1870 (無料コラム)メルカリを分析してみましょう

以下の通り、個人アクティビストの成果が出たようです。上場企業の皆さんはご存じないかもしれませんが、メルカリは田端さんというインフルエンサー?の「個人アクティビズム」のターゲットになっています。先日、メルカリの株主総会が行われ結果が開示されました。私は当初「ああ、そういう影響かな」と思ったのですが、結論、個人アクティビストの勝利ですね。

以下、個人アクティビストのページです。

https://mercari-reboot.com/

以下、関連記事です。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/340542

昨年2023年9月定時株主総会議案の賛成率は以下の通りです。

そして今年2024年9月定時株主総会の賛成率は以下の通りです。山田CEOの賛成率が98.07%から87.48%へとかなり低下しました。

これを見て「うぉーーー!個人アクティビズムの成果じゃ!!!」と素直に喜ぶ前に以下を見てみましょう。メルカリの大株主の状況です。

オアシスがいます。オアシスが2024年6月30日時点で6,500,000株、議決権にして65,000個です。おそらくオアシスは山田CEOの選任議案に反対したのではないでしょうか?だから私は山田CEOの賛成率が低下したのを見たとき「ああ、オアシスの反対票が大きく影響したのかな?」と思いました。

ただ、細かく見るとそうでもないのです。

昨年の山田CEOの選任議案に対する反対個数は21,969個で、今年は136,069個です。136,069個からオアシスの個数65,000個を引くと、71,069個です。昨年の反対個数21,969個よりもずいぶん反対個数が増えましたね。71,069個―21,969個=49,100個増えました。メルカリの総議決権は1,636,573個なので、3%ですね。個人(だけじゃないかもしれませんが)の反対票が3%増えるってけっこうインパクトあるように思います。一般的に個人株主は白紙で投票する株主ですから。メルカリは自社の株主構成をきちんと分析したほうがよいでしょうね。

なお、私の結論は「今回の戦はオアシスを引きずり出した時点で個人アクティビストの勝ち」です。時間があったら以下のユーチューブをご覧ください。私が出ていますwww

https://www.youtube.com/watch?v=dh3jDE3PYAs&t=45s

私はここで個人アクティビストについて触れているのですが「いずれこういった個人アクティビストの活動に本物アクティビストが参戦してくるリスクがある」と指摘しています。個人アクティビストがオアシスという本当?のアクティビストをメルカリ戦に引っ張り出したことは大きな成果であり、この時点で個人アクティビストの勝利です。もちろんまだメルカリ側から何か引き出したわけではありませんので勝利したとは言えませんが、まあ会社が嫌がるであろうオアシスを参戦させたという意味で初戦は勝ちということです。本戦は株主提案権が発生する来年(来年に向けて?)なのでしょうけど。

上場会社のみなさんはあまりツイッターを見ていないかもしれませんが、けっこうこういう個人アクティビストの活動がこれから増えるかもしれません。メルカリ戦に触発された個人が「じゃあオレも!」と参戦してくるかもしれません。ただ、伝統的な上場会社、よく「JTC」と言われる上場会社に関しては、私は「特に気にする必要はない」と思っています。なぜなら「JTCの経営者は個人でツイッターをやってないから」です。SNS運用に詳しくない私の感想にすぎませんが、上場会社の経営者はツイッターを見てもいないんじゃないかな?ツイッターで絡もうにも、経営者がツイッターをやっていないので絡みようがありません。

気にする必要があるのは・・・そう、グロース上場会社ですよ。昔でいうところのマザーズ銘柄です。グロース上場会社の経営者の皆さん!ツイッター、やってるでしょ?気を付けたほうがいいですよ。ツイッターで「社長!株価をなんとかしなさいよ!」なんてからまれて、瞬間湯沸かし器のように「批評家は気楽でいいな!」「自分で経営してみろ!」とかツイートしちゃってません?

ダメですよ~、そんな挑発に乗っては! そういうツイートが来たとしても経営者は冷静に対処しなくてはなりません。そもそも対処しちゃいけないとも言えます。だって普通、アクティビスト対応を社長が1人でやってはいけないんですよ。ツイッターで個人に絡まれて社長が反応するなんて、社長がアクティビスト対応を1人でやっているようなもんですよ。やってはいけないことをやってしまっているんです。

こういったことを書くと金融機関がみなさんに「今や個人アクティビストにも狙われる時代ですよ!個人アクティビスト対策をやりましょう!」っていうくだらない営業をしてくるんでしょうね・・・。企業防衛ってそういうことじゃないんですよ。ちなみにグロース上場会社の経営者は企業防衛についてほとんど考えたことがないと思いますよ。買収防衛策を導入している企業、少ないでしょ?オーナーがまだ割と株を持っているから、ちゃんと考えていないんですよ。でもこれからの時代、オーナーがある程度持っているからと言って安心してよい時代じゃないんです。メルカリだって、山田CEOがある程度株を持ってますけど、ある程度持っているだけで過半を持っている訳じゃないから、厳密に言えば買収可能なんですよ。これからの時代、グロース上場会社も敵対的買収や株主提案についてちゃんと考えておくべきなのです。

さて、メルカリの件は非常に興味深いので、以下の通り今回の株主総会について深堀りし、かつ、これからどういうふうになっていくのかを考えてみました。以下は有料です。

https://ib-consulting.jp/column/5318/

 

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